IFは幻想

前の部署の方が海外に行くことになったので、送別会にお声がかかった。
行くとは言ったものの、合流するまでは結構な不安が心に残っていた。繋がりはいつだって残るんだよ、なんてことを前に言われたけれど、それを無条件で信じるのはなかなか難しいことだ。過ごした時間は長いとはいえ、やっぱり半年間な訳だし。


そんなわけで不安はあったのだけれど、合流や飲み会は特に問題なく進んだ。もっと前の場所で長く過ごせれば、もっと、なんてことを考えるくらいに。


会の途中で、同じ部署の人に「やっぱり二人いると落ち着くね」と言われた。二人というのは、自分とTさんのことで、食べ物を注文したりだとか、皿を配ったりするような時にそんなことを思ったらしい。
個人的にも、Tさんは中堅といわれる年だし、任せっきりにしてると申し訳ないのだ。
そんなわけで、もっと長くいられたら、返せるものがいろいろあったのかな、なんてことを思った。


とはいえ、もう部署が違うわけで、新しい部署の話にも何回かなった。仕事のやり方をほめられた、と言ったら、なんだか喜んでいそうだった。それで、近くにいることだけが返すやり方じゃないな、とも思った。


ところで今回、お酒を飲まないで過ごしたのだけど、案外これはこれでいける。無理して話すような場所でもなかったのが大きいかもしれない。