Tさんのこと

職場でのやる作業がなくなってしまった。資料を読んだりとかそういうことしかできないのだけれど、ほとんど読みきってしまって、あとは復習をするしかない、という感じになった。
前の職場では日々のタスクに溺れていて、定時がただの区切りになっていたけれど、今日なんかは早く定時にならないかな、なんてことを考えていた。
暇だったせいか、今日は前の職場にいたOJTの、Tさんのことを思い出していた。


Tさんと自分は少し似ている部分はある。それは飲み会とかでお酒を注いだりするタイミングとか、エレベーターですぐに開閉ボタンのところに入ったりする、とかそういうところ。
ただ、気を使うにしても差があって、Tさんの気の遣いようはある種徹底している。鍋をやるなら全てコントロールする。
自分で言っておいてだけれど、自分はそこまで気は使わない。そこまで徹底できないというのもあるし、徹底しすぎるのもよくないと思っている部分もある。


Tさんは論理性や知識で人と付き合う人だった。学生時代だったら、イジメのターゲットになったりすることを論理性や知識で回避しようとする、そんなタイプに見えた。Tさんの資料にミスはほとんどなく、話題を出すと持っている知識を展開してくれる。
マイナスの意味だと論理性しかなくて、問題追求は答え合わせのようになる。要するにこちらのことを見ていないように見える。人に教えるときも、教えられる方が覚えられたかどうかよりも、教えているTさんが覚えられるだけの教え方だったかどうかを重視していたようにも思う。


他の人が進めやすいように環境を整えるようなことで、プロジェクトに貢献するようになりたい、とTさんは言っていた。Tさんの特性に合った良い選択のように、半年間しか一緒に居なかった自分も思った。
ただTさんの短所はそれの邪魔をするように思った。
Tさんは、自分で自分のことを毒舌だという。相手を傷つける言葉を厭わない、という点ではたしかに毒舌なのかもしれない。Tさんの毒舌は、たいてい相手をなぶるようになる。


なにがいいたいかもわからなくなってしまったけれど、Tさんから得たものはいろいろあって、けどもうあんまり一緒に仕事をしたい感じではない。それがTさんのこれからを暗示するようにも思うのだった。