水曜日は特別

水曜日は早帰り日とかいうのが一般的になったのは最近のことだと思うのだけど、実際どうなのだろ。確かに週の真ん中だし、休むにはもってこいなのかもしれない。
自分が育った家は自営業だったので、定休日は水曜日だった。そんなわけで子供のころから水曜日は特別だったりする。


商人の息子は商人、というわけでもないけれど、親が何しているかで生活リズムは結構変わる気がする。
まず、休みの感覚がちょっと変わる。日曜日は父親が仕事休みだから外に出かける、とかはやっぱりわからない。水曜日にその代りをするようになる。
最近でも水曜日のお昼は外食だったりすることが多いし、外に出かけるのも水曜だ。


子供の頃は店の上の部分に住んでいたから、新聞を一階にまで取りに行かなくちゃいけなかった。暗くなっている店の部分は、うちとそとが混ざってて変な気分になるし、わざわざ取りに行くのは面倒だった。*1


それと家にずっと家族がいる、という感覚も違うかもしれない。仕事帰りに飲んでくる、というのがそもそもない。同僚もいないし、上司もいない。そもそも通勤がない。母親もずっと店にいるから、子供の頃は帰って親がいないということがなかった。


うちの店は商店街にあるのだけれど、水曜日になると閉じたシャッターがずらっと並んでいる。小学校の帰り道なんかは子供心に水曜日は静かな感じがしていたりもした。
それに店が休みだから、店先のシャッターが閉まりっぱなしになっているのだ。学校から帰ってくる時も裏口から入らないといけない。中に入っても明かりの消えた一階を通らないといけないし、上に行っても閉塞感がある。その印象があるせいか水曜日はあまり好きじゃないのだ。


中学になって、店と自宅が別れた。小学校の頃は四人が一部屋に並んで寝たり*2していたのだけど、中学になるにつれさすがに手狭になってきていたので。
放流された魚みたいな解放感で、自分の部屋があったりする夢の生活に突入する。*3


ただそのせいで水曜日の感覚が少し薄れてきてしまって、だれもいないと思って帰ると親が居たりする。そうなると好き勝手は出来ないわけで、ますます水曜日が疎ましく思ったりするのでした。

*1:けど、毎日取りに行ってたわけじゃない。むしろたまに取りに行くくらい。それこそ定休日とか

*2:足が反対側の壁に着くようになって、これは狭いな、って思った

*3:まぁ引っ越した当初は弟と一緒だったのだけれど