バランスがとても難しい
自立も、自律も、
評価されてはいけなくて、それはとてもとても困難。
本ばかり読んでいるのもよくないようには思うのですけどね。
一応バイトはしているものの、コミュニケーション的には少ないし、
かといって誰かのためじゃなくて自分のために時間を使えと言われると、
今はまだ自分の部屋で本にかけていたい。
とはいえこうしてブログを書いてしまうのは、
コミュニケーションをしたい、ということなわけです。
自律できるほど人間できてないわけですよ。とはいえ、
自立ならとりあえず形からというのもありなのでは。
水晶内制度 笙野頼子
- 作者: 笙野頼子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2003/07
- メディア: 単行本
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笙野作品の中で、昨日読んだ『硝子生命論』が持つ特異な点、
他者について語られている事について、ちょっと考えを巡らし。
そしてもう一つ、
笙野さんの作品の中でこのシリーズでは愛について語られていること。
愛と言っても通常の、通常と言われている、異性愛ではないのだけど、やっぱりつながっていると思うし……
それで受ける印象が他と少し異なるのかな、と思います。
水晶内制度を読んでいて思ったのですが、
笙野さんの物語は透明であることを拒否していくように思うのです。
硝子生命論の最初、とても澄んだ世界にいて、
そういう作中世界にいると現実感がなくなって
自分の現実感とは別の作中世界に入っていける。
けれど完全に現実から離れてしまうと、自分から離れてしまう。
そういう意識は有るのじゃないかと思います。
最後、きれいに終わらせることもできるのに、やはり敵が関わってくる。
乱入と言っていいほどに。
その敵のおかげでまた一つ違う場所に飛ばされる。
または、
その敵のせいで一つ違う場所に飛ばされてしまう。
戦う緊張感を緩ませることができずに、どこまでも高く昇り。
本から目を挙げても、
呼吸は戦いの備えになっているような気がしたのでした。
金毘羅の後にこれを読んだのは幸か不幸か――