すねいくあんど

芥川賞で、一時期話題になったけれど、その時には買わなかった、『蛇にピアス』。100円で見つけて購入。
読んでなかったので当時の、話題性のために云々とか、インパクトだけ云々とか。そういう話はぼんやりと聞き流していました。
いや、実際多少の予想はしていたんですけど。あらすじについては多少流れてましたし。


で、やっぱり読んでみないとわからないものですな、と思いましたね。
予想していた程、低くはなく、インパクト重視は否めないけど問題はそこじゃなかったと思う。
インパクトがあるとか、ショッキングだとか、そういう話は薄っぺらいと、見るに堪えなくてどうしようもないけど、そういうレベルではないんじゃないだろうか。


で、問題は「現在」の無さじゃないかと。
わざと薄くしているのだとは思う。過去を出さないというのも途中まで徹底して(わざとくさいけど)、最後のあたりで出していくのはいいはず。
けど現在のところを書かなかったのは、嘘くささに近い。要素が穴埋めの粘土みたいで、ストーリーが継ぎ合わせたようにちぐはぐだった。

うん。なんでこんなに偉そうなんだろ。
文章は細かいところ書いてたから、文章力ないという話ではないのだと思う。わかんないね。
そういえば、表紙は良かったです。個人的にだけど。


賞に関しては、なかなかこういう話を書ける人は少なくて、そこに対する期待はあったのではないだろうか。
今、それに応えてるのかはわからないけど、どうなんだろ。それなりに出してる気がしたけど読んでないからわかんない。縁があったら、一作読んで、ダメだったらもう買わないというくらいでいいや。
綿谷りさも最近見ないな。夢を与えるはあまり良くなかったと思うのだけど、あそこで終りなのだろうか。

そう言えば、これ映画化してたね。吉高由里子が新人賞とってたのを思い出した。役柄的は確かに合うはず。