終わらない物語について

覇者と覇者  歓喜、慙愧、紙吹雪

覇者と覇者 歓喜、慙愧、紙吹雪

途中完結せずに終わってしまう事に心がくじけそうになりながらも、読了。
予想よりは、気持ちの整理が付けてよかった。もう一年位経つし、覚悟で来てたからね。すぐ読んでたらずっと後に引いたかもしれないけど。
戦争が終わって。本当に良かった! 

気持ちの整理がつけた大きな理由は主人公の一人、海人の物語が終わっていたというのが大きい。海人の物語は一点集中、パンプキンガールの方は全体的な感じなので、海人の話で終わっていたら落ち着かなかった気がする。

しかし最初「裸者」だった彼らが、「愚者」となったのち「覇者」へ。作品の途中の段階で関わる世界が違うという事があって、印象がすこしだけそれぞれ違う。
覇者は、もうすでに切実でなくなってしまった彼らの願いの物語だ。

気になったのは、枝野あづみの存在。彼女に海人は殺されるのかと思い浮かべていたのだけど、そんなことはなかった。昔の海人に似た彼女の役割はこの中で大きい。

登場人物の中では白川さんが好きでした。